2023/09/02 07:45


「どこの豆が美味しいですか?」

 コーヒーの味わいは「栽培地域の特性」、「気候条件」、「品種」、「生産処理」、「焙煎」、「抽出」というようにさまざまな要素があります。品種だけでも判断できないし、国だけでも判断できないのが正確なところです。
と言っても、ひとつの目安として知っておきたいと思いますよね。

 コーヒーベルトに集まる代表的な産地について、それぞれの特徴(傾向)をご紹介します。好みのコーヒーを選ぶ際の参考にしてみて下さい。

<南米>
🇧🇷 ブラジル(コーヒー生産量1位)
 主な品種:ブルボン、ムンドノーボ、カトゥーラ 
 特  徴:酸味少なめで、甘みのあるまろやかな味わい。ナッツ系の香り。
 世界最大のコーヒー生産国で、世界シェア約36%。広い国土の中では産地によって気候条件もさまざまで、農園によってあらゆる種類の豆が生産され、その表情も豊かです。

🇨🇴 コロンビア(コーヒー生産量3位)
 主な品種:ブルボン、カトゥーラ 
 特  徴:酸味と甘みを合わせ持つ。
 生産量は、ブラジルとベトナムに次いで世界第3位。アンデス山脈があるので標高が高く、気候的にコーヒー栽培に適しています。
 ただ、地形上の問題で農地を広げることが難しく、ほとんどが小規模農園で機械を使わず手作業で栽培から収穫まで行っています。
 有名な「エメラルドマウンテン」は、コロンビアコーヒーの中でも厳選された3%未満の高品質品種です。

<中米>
🇬🇹 グアテマラ(コーヒー生産量10位)
 主な品種:ブルボン、カトゥーラ、ティピカ、カトゥアイ、マラゴジッペ 
 特  徴:香り豊かでメープルシロップのような甘さとフローラルな香り。
 地形が複雑で、特徴の異なる多彩な香味を持つコーヒーを生み出しています。小規模のウォッシング・ステーションの数が増え、スペシャルティコーヒーの生産に力を入れる生産者が増えたことで農園ごとの差別化が進んできました。

🇨🇷 コスタリカ(コーヒー生産量14位)
 主な品種:カトゥーラ、ビシャサルチ、カトゥアイ 
 特  徴:明酸味と濃厚な甘みとフルーティーな酸味がある。
 栽培に適した土地はあまり広くなく、小規模農園が多いが、「ハニープロセス」という独自の生産処理方法を確立し、濃厚な甘みとコクを出しています。

<東南アジア>
🇮🇩 インドネシア(コーヒー生産量4位)
 主な品種:ティピア、ハイブリッド・デ・ティモール、カトゥーラ、カティモール 
 特  徴:力強いボディとコクのある後味、土のような香り。酸味は少ない。
 多くはロブスタ種ですが、アラビカ種で有名な「マンデリン」は、華やかで濃厚な香りとコクがあり、高品質なコーヒーとして評価が高い銘柄です。 「スマトラ式」と呼ばれる独自の生産処理方法が確立されており、独特の風味や香りが引き出されています。

<アフリカ>
🇪🇹 エチオピア(コーヒー生産量5位)
 主な品種:エチオピア原種、ティピア、ゲイシャ 
 特  徴:華やかで芳醇な香り。
 エチオピアはコーヒーの発祥の地と言い伝えられています。他の生産国とは異なり、もともと自生しているコーヒーノキは品種の特定が難しく、ひとくくりにして「エチオピア原種」と呼んでいます。
 エチオピア原種は地域により細かな特性の違いあり、品種としては1,000種以上あると言われており、「シダモ」「ハラー」「イルガチェフェ」などは品種名ではなく収穫地名で、有名な「モカ」はエチオピアの隣国であるイエメンの港の名前で、対岸のエチオピアのコーヒーも「モカ」と呼ばれています。

🇰🇪 ケニア(コーヒー生産量17位)
 主な品種:SL28、SK34、ブルボン、ルイル 
 特  徴:ベリーや柑橘系のようなジューシー酸味
 他のアフリカ諸国に比べてコーヒー栽培を始めたのは遅かったが、特にヨーロッパで重宝され、一級品として高値で取引されています。
 高品質の豆が収穫できる理由は、早くから管理体制を整えられて、生豆の大きさ基準とした独自の格付け、等級、制度を設けています。


 一概に生産国だけで味わいは判断できませんが、いろいろな生産国、品種の豆を飲み比べてみてはいかがでしょうか?
美味しさは主観的なものですから、今まで気付かなかった好みのコーヒーが見つかるかもしれません!