2023/07/15 08:00
”『自分好みの味』を知ることから” の第3回は、<3.生産処理>です。
コーヒー豆は種子ですからその種子を実から取り出す作業が必要になります。これを生産処理またはプロセスと呼びます。
コーヒーの味わいは品種だけでなく生産処理によっても変化し、同じ農園で栽培された同じ品種のコーヒー豆を異なる生産処理した場合、味わいはまったく異なったものになります。
生産処理は大きく分けて3種類に分類されます。
1.ウォッシュド(水洗処理)
文字通り水で洗って種を取り出す方法です。手順は、❶ コーヒチェリーの皮を剥ぐ ❷ 水を溜めたタンクで数時間発酵させる
❸ 洗い流す ❹ 乾燥させる
ウォッシュドは、スペシャルティコーヒーにおいて非常に多く用いられる製法です。
酸味を際立たせ、繊細な風味を引き出す素材由来の味わいを活かす最適な生産処理と言えます。
2.ナチュラル(天日干し)
コーヒーチェリーをパティオと呼ばれるコンクリートの乾燥場やアフリカンベットと呼ばれる高床式の乾燥台で乾かす方法です。
数日から数週間かけて乾燥させるのが一般的で、ナチュラルは水を使用しない生産処理なので環境負荷が少ない生産処理と
言われています。
3.パルプドナチュラル(ハイブリッド型)
近年登場した生産処理で、専用の機械で皮を剥いだ後、ムシラージ(粘膜質)を付けたまま乾燥させる生産処理です。
コスタリカではハニープロセスと呼ばれています。ウォッシュドとナチュラルの中間に位置する方法と考えられ、味わいも
ウォッシュドとナチュラルの特徴を兼ね備えています。
それぞれを焙煎すると、
・ウォッシュドは、浅煎りにするとスッキリした味わいになり、深煎りにするとまろやかな味わいになります。
・ナチュラルは、浅煎りにするとキレのある味わいになり、深煎りにするとコクのある味わいになります。
・パルプドナチュラルは、浅煎りにするとウォッシュドほどではありませんが、スッキリした味わいになり、
深煎りにするとナチュラルほどではありませんが、コクのある味わいになります。
自分好みの味が、どこの"生産国”のどんな”品種”でどのような”生産処理”された豆なのか....興味深いですよね。
さて、次回は<4.焙煎>です。豆のポテンシャルを引き出す焙煎についてのお話です。